右も左も前も後ろも

推しのことはな〜んにも知らない。ただの若手俳優オタク

彼を好きだと言う彼女は世界一綺麗で

 

仲良しのオタクが他界した。というか最近周りのオタクが次々とアカウントを消してわたしの前から去っていく。普通に寂しいのでやめてください。

 逆にわたしは「降りたい」が口癖なのになんでいつまでもこの界隈にしがみついてるんだろうって考えてみた。見苦しいぞ自分!

 

推しの嫌なところが目に付く。目に余る。そんな日がある。舞台を観に行って気持ちよく帰れない日がある。降りる理由なんてのはそんなもので充分だと思う。舞台の期間が空いた時プライベートでいいことあったりとか、忙しくなったとき、わたしなにやってんだろ…ってふと我に返ったりするのが本当に辛くてしんどい。友達がインスタで「ストレスはっさ〜ん!物欲やばい(><)」ってヴィトンのバッグとYSLのコスメとCOACHの財布なんかの写真があがってる日には死にたくなる。本来わたしが稼いだお金もそう使われるべきだというかのように、『正しいお金の使い方』を友達のSNSから学ぶ。

正直羨ましいと思う気持ちが大きい。いつまでもプチプラで可愛く♡なんて年齢でいられないこともわかってる。見栄を張るため、虚勢を張るために、わたし毎日こんなに楽しいです!ってアピールするためにブランドものを身にまといたい。ブランドものは自信の無い自分への最大の防御。

 

頭では分かっていても降りるってなるとそう簡単に決心がつくものじゃない。この界隈から去りますって潔くアカウント消す人とか、推し変しました繋がってくれる方はファボくださいとか、仲いい子だけにこっそり次の推しを教えてアカウントもこっこり移行する人もいる。

決心を決めたオタクの後ろ姿はどうしようもないくらい格好いい。たくさん迷ってたくさん泣いてたくさん色んなことを思い出して、それを乗り越えた人だけが降りる(推し変)っていう新しいステージに立てる。嬉しかったことも悲しかったことも思い出せないほどあると思う。全部しまって蓋をする。それがどれだけ勇気のいることか、今この界隈にいる人なら誰でも想像つくと思う。降りることや推し変が悪いとは一切思わない。むしろまた人間としてワンランク上がったのか!と褒めるべきだと思うけど、まあオタク続けてたからって辞めたからって誰かが褒めてくれるわけでもない。すべて自己満の世界。褒めてもらいたいなら始めからオタクしてないよなあ。推しを卒業したみなさんお疲れ様でした。またどこかで会えたら嬉しいけど覚悟を決めたあなたたちは振り返らないんだろうなあ。

 

わたしの場合自己すら満足できないのになんでオタク続けれてるかというとわたしは横の繋がりだと思う。俳優アカウントで作ったお友達ももう増えて、現場がなくてもご飯に行ったりする仲になった。推しに対してどこにもぶつけられない感情を聞いてもらったこともある。嬉しかったこと、むかついたこと、泣いたこと、全部推しに対する感情だけどいつも側にいてくれたのはオタク友だちだ。よく言う学生時代苦楽を共にしてきた部活仲間は永遠になるってうのに似てるのかな。オタク界隈って割と体育会系なのかもしれない(笑)考えてみたらオタクを始めてからいつも誰かが側にいてくれた。一人で現場に行っても帰ってきたらTwitterで感想をうんうんって聞いてくれる人がいた。優しい世界で生きてきたわたしはまだまだオタクを辞められそうもない。

 

その優しい世界を捨ててまで普通の女の子になろうとしてる子たちを止める筋合いはわたしにはない。

推しのことを話すあなたは世界で一番綺麗でした。わたしはまだただここにいるつもりなので戻ってきたくなったらいつでも戻ってきてください。

 

一緒にオタクできて楽しかったなあ。

心からの感謝を込めて。